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【投稿】雨降る夜に
投稿者:みすけ様


これは僕が実際に体験した、本気で怖かった話です。

僕は今、長期交換留学生としてオーストラリアにいます。今月で3ヶ月になります。
初めの1ヶ月はシドニーでホームステイしていました。これはその時の話です。

僕の部屋は家と庭を挟んだ離れにあって、そこは元々ファザーがマザーのために後から造ったアトリエだったらしいです。
小さくて綺麗とは言えなかったけど、秘密基地をもった気分で僕はその部屋がすぐにきにいりました。

ある日の夜のこと。
ものすごい雨音で、夜中の2時くらいに目が覚めたんです。
オーストラリアは余り雨が降らず、毎年水不足に陥るらしいんですが、今年は特別雨が多いらしい。
それに一度降り始めると、ものすごい勢いで土砂降りになるんです。
その日は風も強く、雨と風が窓を激しく叩いていました。

起きた時間も時間だったし、睡眠に貪欲な僕は雨音を遮るようにして布団を頭からかぶり直し、目を閉じました。
しかし折角2度寝を満喫しようと思ったのに、ふと、あることが頭をよぎりました。

"あ、やばい、外に水着を干したままだ。"

ちゃんと洗濯バサミで止めて干したはずだから大丈夫だ、と言い聞かせて目を瞑り直したのですが、どうもその事が頭をちらついて寝れない。
仕方なく気だるい体を渋々起こし、扉を開けました。
途端に雨風が部屋に吹き込んでくる。

外は本当にすごかった。
真っ暗なのに、庭の周りに生えた木々が折れそうなくらい風に吹かれているのが分かった。
雨は冷たいし寒いし眠いしで、僕は水着をすばやく取り込んで、自分の部屋に逃げ込みました。

やっと寝れる。
僕は、履いていたサンダルを脱ぎ捨ててベッドに潜り込みました。
でも僕は一度目が覚めてしまうとなかなか寝つきにくいタイプで、何度も寝返りを打っていました。

初めに目を覚ましてからだいぶ時間がたった頃。
雨も段々弱まってきて、音も気にならなくなりました。
これで寝やすくなる。
と安心して、睡魔を受け入れようとした時。


はっ・・・はぁ・・・っ


誰かの息遣いのような音が聞こえた。

そんなの、ありえない。
僕は気のせいにして再び眠りにつこうとしました。

するとまた、

はぁ・・・はぁ、はっ・・・

やはり聞こえてきた吐息の音。
気のせいだと思いたかったけど、今のは確かに聞こえた。

は・・・は・・・はぁっ

荒い息遣いに、背筋に悪寒が走った。
誰かの息遣いは部屋の中、僕のすぐ側で聞こえてくる。

耳を塞げば息遣いは聞こえない。
でも得体の知れない何かが僕のそばにいるのに変わりない。

はぁはぁ・・・はっ

しかもその息遣いと共に、ナニカはこの部屋を巡回していました。
まるで、僕を探しているかのように・・・。

見つかったらどうなるんだろう。
と布団に潜り込んで、息を押し殺して気配を窺っていました。

怖い話を聞いたり読むのは好きなんですが、僕はかなりびびりなわけでして、幽霊とか鵜呑みにしちゃうくらい信じてるタイプなんです。まさにチキン。
しかし怖くて怖くて体を震わせているのに、僕の中に "ソレを確認したい" というバカげた考えが現れました。
その好奇心はどんどん大きくなっていくんです。臆病な自分を戒めるかのように。

時刻は午前3時前。
日本では丑みつ時と言って幽霊のでやすい時刻だって、未だ僕は信じているんです。(ここはオーストラリアなんですがw)

恐怖心を押しやって、勇気を振り絞り、僕は布団から這いでて枕元にあった携帯を開きました。
そして携帯の薄いライトで真っ暗な部屋内を照らしました。
僕はメガネをかけてないと何も見えないし、鳥目体質で暗い場所では物がよく見えない。
けど、次第に暗闇に目が慣れてきて、床にぼんやりとナニカが浮かんでくる。


真っ暗の闇の中、床にはいつくばるナニカ。


既に僕は半泣きで、体中さぶいぼが立ち震えが止まらない。
耳には息遣いが届き、変な臭い…なにか生臭い臭いがする。
怖くて怖くて、半泣きのまま自棄になった僕は照明のスイッチを押した。
そこにいたものはーーー。






血塗れの髪の長い、下半身のない女。














などではなく、犬。

ホストの飼い犬。
濡れた体を震わせ、僕を見つけると尻尾を振った。
臭いは獣の独特の臭いだった。



その後、僕の逆鱗に触れたトリクシーちゃん(♀:12歳)は雨振る暗闇にとき放たれたのだった。


そういえば、どうやって部屋にはいったのかなぁ。
外へ出たときも入るときも、雨風が入らないようにすぐ扉を閉めたのに・・・。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーストラリアより、みすけさんの投稿でした。
みすけさん、ありがとうございます!
またぜひ記事をお寄せください、楽しみに待っています。(≧▽≦)ノ
文章はみすけさんの了承をいただいたので少しだけ改変させていただきました。なにとぞご了承ください。

オーストラリアというと乾いた赤土の大地のイメージがあるので、激しい雨が降る夜の出来事はまた特に怖かったと思われます。が、オチで爆笑しました。
確かに濡れた犬は独特のにおいがしますね。

しかし、トリクシーちゃんはいったいいつ部屋に入ってきたんでしょう。
濡れていたということは、雨が降り出した後。
雨が降り出したのは夜中の二時頃。
当然、それより前にみすけさんは部屋で寝ていたわけですよね。
部屋に入るチャンスはみすけさんが水着を取りに外に出たときだけ。
しかし部屋に雨風が降り込まないようドアはすぐ閉められています。

もうひとつ。

犬は自分じゃドアを開けられませんよね。
よしんば開けられたとしても、みすけさんは気づくはずです。
となると。


ドアを開け閉めしたのは、誰…?
by kero-tama | 2011-04-13 00:39
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