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【自然の脅威】目印(動画)
人は何故山に登るのか。
必要があっての山越えではなく、山に登ること自体を目的とする人々。
ほとんどの山は生命に恵みをもたらす豊穣の土地だが、無用心に入り込む者には容赦無い。
低い山でさえ毎年遭難者が出るというのに、それが標高8000メートルともなれば。
山は泰然自若としてそこに存在するだけで、襲い来る台風や地震などとは違う。
近寄らなければ危険にさらされることはないというのに、登山家は自ら「山という自然災害」に近づこうとする。
征服感、達成感、栄光、名声、限界への挑戦、極限状態から生還する快感…
「そこに山があるから」と答えた登山家もいた。
登山家の気持ちは、山に魅入られた者にしかわからないのだろう。

標高8000メートル級の山々は、世界中の登山家たちを惹きつけてやまないが、同時に多くの登山家たちを死に至らしめてきた。
ケガや病気で動けなることは死に直結し、たとえ一緒に仲間がいようと、どうにもできない場合が多々ある。
身を切られるような思いで仲間を見捨てなければ、登山隊が全滅する事態もあり得るのだ。
遺体は運がよければ他の登山家たちによって家族のもとへ届けられるが、酸素も薄く荷物の重量も極限まで減らさなければならない山では回収することが出来ないまま置き去られる遺体も、実は多い。
極寒と強風、極度の乾燥の中、遺体は腐ることなくミイラ化し、やがて風化が進んで白骨化。
遺体は何十年もそこに留まり続け、場合によっては登頂の「目印」になっている。


ネパールのヒマラヤ山脈に属する「マナスル」は世界第8位の山であり、1956年5月9日に今西壽雄・ギャルツェン・ノルブら日本隊によって初登頂されている。
また、1974年5月4日に日本の女子隊が挑み、女子による8000メートル峰の世界初登頂を達成している。
最近では2008年10月12日に単独登山家の栗城史多氏が単独無酸素で登頂し、スキー滑降に成功したという、日本には馴染みのある山だ。

この山の7500メートル地点には「ジャパニーズガール」と呼ばれる「目印」がある。
前述の女子隊は13名を分けて挑んだのだが、松本直子さん、森美枝子さん、内田昌子さんの3名とシェルパが登頂を成し遂げた翌日、登頂を目指した同じ隊の鈴木貞子さんが7500メートル付近で猛吹雪に遭い、消息が途絶える事故が起こっていた。
「ジャパニーズガール」はその時の遺体だと言われているが、真相は不明らしい。
正体が誰であろうと、その遺体は黒い岩肌に白い雪、青暗い空の三色しかない極限地帯で登山家を頂へと導く「目印」として今もマナスルに在り続ける。

栗城氏が単独無酸素で登頂したとき、輝く氷の上に置かれたザックを発見した。
よく見ると雪の中から手のようなものが突き出している。
近づいてみるとそれは白骨化した遺体で、それがシェルパに聞かされていた「ジャパニーズガール」だったという。

「もうここから先は、大きな代償を払わないとこの先にはいけない。
 お前にその覚悟はあるのか」

と言われているような気がした、と栗城氏は自身のブログで語っている。

単独登山家 栗城史多 ブログ


また栗城氏は、2009年5月、ダウラギリ無酸素単独登頂の際に自身で動画を撮影、インターネットで配信した。
動画にはダウラギリ山頂の「目印」となっている登山家の遺体が、岩の斜面に仰向けに倒れているところが撮影されている。

ニコニコ動画:栗城史多 ダウラギリ アタックステージ 本人撮影映像


自ら望んで険しい山を登り、そして事故に遭う登山家たちを非難する人たちは少なくない。
準備不足や判断ミスなど、非難がやむを得ない場合は確かにあると思うし、死してなお山から帰れない登山家たちの遺族の心情も如何ばかりか。
多大な苦労と費用をかけて山頂に登っても、そこに何があるわけでもないし、もしかしたら、いつか自分も「目印」になるのかもしれない。
だがそれでも、登山家は山に登るのだ。


keroは登山のことは詳しくなく、やりたいとも思いませんが、誰も彼らの「覚悟」を笑うことはできないのだと厳粛な気持ちになりました。
by kero-tama | 2010-08-18 13:11
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